「清楚な生徒会がサキュバスの巣窟」という設定、一見よくある構図に見える。でもあんみつよもぎ亭(作画:みちきんぐ先生)のこの作品には、その一歩先に仕掛けがある。読み進めるうちに気づく──食われているのは主人公だけじゃない、と。この記事では『サキュバス性徒会シコシコ執行部』を実際に読んだ感想をレビューしていく。
作品詳細

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | サキュバス性徒会シコシコ執行部 |
| 作者 | みちきんぐ(あんみつよもぎ亭) |
| 配信開始日 | 2024/09/22 |
| ページ数 | 37ページ |
| 題材 | オリジナル |
| 作品形式 | コミック(JPEG) |
| ジャンル | サキュバス/淫魔 / ハーレム / 中出し / フェラチオ / 複数プレイ・乱交 / 和姦 / 巨乳・爆乳 / 学園もの |
| 販売サイト | FANZA / DLsite |
あらすじ
転校初日、生徒会に誘われた主人公が最初に感じるのは「青春が来た」という予感だ。
それが「サキュバスに捕まった」という認識に切り替わるまで、すごく短い。しかし本当に面白いのはそこから先で──「なぜか記憶が残る」という主人公の特異性が、捕食者と獲物の関係を静かにずらしていく。
感想①:「記憶が残らない」という設定が、まさかこっちに効いてくる
淫魔系のコミックを読むとき、エロがメインで設定は添え物、というものが多い。
この作品を開いたときも最初はそう思っていた。
でも読んでいくうちに、設定の使い方が気になり始める。
行為後に人間は記憶を失う──それ自体はよくあるルールだ。ところがこの作品では、主人公だけがその例外になっている。記憶が残る。つまり、主人公だけが行為を「積み重ねる」ことができる。
この「積み重ね」が、ヒロイン側にも蓄積されていく。
捕食のはずの行為に感情が紛れ込んでいく。その流れが後半に向かってきれいに収束していく構成は、37ページという尺を考えるとかなり密度が高い。「あ、これ設定がちゃんとエロに機能している」と気づいた瞬間、一度読むのをやめて最初のページに戻った。
前半と後半でモードが変わること自体に驚きはない。でも「なぜそのモードが変わったか」の理由が、序盤に丁寧に仕込まれている。37ページを全部読んで初めて、最初のルール説明が伏線だったと気づく作り方をしている。
感想②:みちきんぐ先生の絵に、また裏切られた(褒めてる)
みちきんぐ先生の名前は商業誌で知っていた。「姉体験週間」シリーズでアニメ化もされているし、各誌の表紙も手がけている。あの「柔らかい質感」は知っていた。
同人でオリジナルシリーズを始めると聞いて、どこかまだ「商業とは別のもの」を期待していた部分がある。
実際に読んで、「いや、ここでもやっぱりこれだ」となった。
甘い。ドSじゃない。
キャラが強い言葉を使っても、根本のところに好意と発情が同居している。搾り取られる側として描かれているはずの主人公が、どこかうらやましい。その感覚を引き出してくるのがうまい。
前半の乱戦パートと後半の一対一パートで絵のトーンが明確に変わるのも意識させられた。特に後半、ヒロインの表情が変わっていく瞬間を丁寧に拾っている。みちきんぐ先生の線がいちばん映えるのはああいう場面だ、という確信が深まった。
巨乳/爆乳タグが入っている割にキャラのレンジが広く、体型もビジュアルも揃えていない。一作目でこれだけのバランス感覚を見せてくるのは、さすが手練れという感じがした。
感想③:翠音(みおん)ちゃんが今年のヒロインを争っている
後半に一対一でフォーカスされるヒロイン、翠音(みおん)ちゃんの話をしたい。
清楚モードと本性の落差が大きいこと自体は、表紙から想像がつく。でもこの作品の翠音ちゃんが面白いのは、その落差の「理由」にある。
捕食対象として割り切っていた相手が、記憶を持ち続ける存在だった。その事実が、彼女の行動を微妙に変えていく。「特別扱いしているつもりはない」のに、気づいたら一番積極的になっている。
そういう「本人も気づいていない感情の変化」を、限られたページ数の後半に詰め込んでいる。
捕食者が感情に気づいていないまま純情になっていく──その可愛らしさと少しの切なさが同居した読後感は、エロ漫画に求めていなかったものだった。
今年読んだ同人の中で、ヒロインとして上位に食い込んでくる。
まとめ:ハーレムえっちに始まって、ラブに終わる37ページ

淫魔×学園ハーレムという入口から入って、最後に「あの子の続きが読みたい」と思わせてくれる作品だった。設定の使い方が丁寧で、短い尺なのに後半の感情的な着地がしっかりある。エロも設定もちゃんと噛み合っている。
こういう人におすすめ
サキュバスものをよく読んでいて「エロのあとにもう少し何かあってほしい」と感じている人には刺さる。ヒロインが感情を持ち始めるまでの過程が好きな人、みちきんぐ先生を商業誌で知っていて同人での仕事が気になっている人にも向いている。シリーズの起点として設計されているので、続きまで読む前提で手を伸ばすと丁度いい。
こういう人には向かない
後半は情緒が入ってくるので、淫魔に徹底的に搾り取られるだけのハードな作品を期待すると方向が違う。ページ数は37Pと短めで、この1冊で全部が語り切られるわけでもない。長編の読み応えを求めている場合は続編まで合わせて読む前提で入ること。
この作者について
作画担当のみちきんぐ先生は、サークル「あんみつよもぎ亭」の主宰でもある。東方Projectの二次創作を起点に成人向け同人誌を刊行し、2013年に商業誌デビュー。「姉体験週間」シリーズがアニメ化されるほどの人気を誇り、複数の成人向け商業誌で表紙を担当し続けている実力派だ。
作風の核にあるのは萌え系の柔らかい線と、ヒロインとの「甘い溶け合い」を感じさせるエロの設計。強引すぎず甘すぎず、絶妙な体温でキャラクターの発情を描くのがうまい。本シリーズはその持ち味が同人オリジナルというフォーマットで全開になっている。
最後に
本作はシリーズの起点になる1作目だ。翠音ちゃんたちとの続きは2巻以降に控えている。まずここから読んで、あとは流れに任せてほしい。

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